otセキュリティは製造業において利用される制御技術をサイバー攻撃から守り、製造ラインの停止を防ぎます。電気やガスといった社会を支えるインフラでも活用されており、ネットワークの利用によるサイバー攻撃の発生が増え続けている現代では必須となっています。一般にはあまり知られていないotセキュリティですが、今後はより重要性が高くなっていくでしょう。otセキュリティとよく似た技術に、ITのサイバー攻撃対策が存在しています。

ITは一般企業でも多く導入されているため、その対策も知名度が高くなっています。しかしあくまで製造業やインフラのシステムを守ることに重点を置いたotセキュリティは、ITのインシデント対策とは異なる面が多々あります。otセキュリティの特徴の一つに、システムの常時稼働を前提としていることが挙げられるでしょう。製造業では生産ラインが一度停止すると復帰に時間がかかり、場合によっては再起動が難しくなります。

再稼働までに莫大な損失が発生する可能性もあるため、インシデント対策は常時稼働を優先させて行われています。システムアップデートやOSの更新が行われない点などが、この産業用制御システムの保守運用においてわかりやすい点でしょう。システムスキャンなども同様に生産ラインの稼働に影響を及ぼす可能性があるため、基本的には行われることはありません。製造業で使われる技術ならではの特徴を理解し、運用することが大切です。